2025年 あけましておめでとうございます
日本漢字能力検定協会によると、2024年の世相を表す『今年の漢字』に選ばれたのは『金』でした。といっても金は2012年、16年、21年にも選ばれています。どれもオリンピックの年です。『今年の漢字』は応募数が一番多い文字が選ばれます。それほどまでにオリンピックの金メダルは印象に残りやすのでしょう。世界最高峰の選手の競い合いを観戦している私たちも熱狂し、喜びや悔しさなど強い感情を体験します。

オリンピックをはじめとしたスポーツに限らず、私たちは毎日の生活の中、あらゆる物を自分で比べたり、他の人たちから比べられたりし続けています。どちらがより優れているか、正しいか正しくないか、役に立つか役に立たないかなど、評価し評価され続け、その中で一喜一憂しています。劣等感にさいなまれることもあります。批判に晒されたり、自分の満足する結果が残せない時には、自分を大切な存在であると思えなくなることすらあります。
このままではいけない、努力しなくては、ともがいてみても、結局はこれで良いと思えるような安らいだ境地には到達できず、さまよい続けています。
「天上天下唯我独尊」というお釈迦様の言葉があります。この言葉は、私たちが時や場所を超えて、かけがえのない唯一の尊い存在であることを示しています。私の存在も他者の存在も、違いを超えてこの上もなく尊く、平等であると教えてくださっています。
どんな人の心の中にも、違いを超えて誰もが尊重しあっていけたらと、いう思いはあるのではないでしょうか。しかし、実際には、個人的にも国としても、自分たちの正しさや利害にこだわることによる対立や争いが絶えません。戦争では国の利害が優先され、一人一人のいのちの重さが軽視されています。私たち人間は傷つけあう歴史を続けてしまっています。
その事実に痛みを感じながら、それでもいのちのかけがえのなさが成り立つ世界を目指していく道を、今を生きる私が求めていくことが大切なのだと思います。
本年もよろしくお願いします。西念寺を皆さまにとって仏教の教えに触れていただく場としていただけますよう勤めてまいります。(住職)