親鸞聖人のゆかりの地を訪ねて
願入寺(如信開基の寺)
文・撮影 M.K.
西念寺の「おしらせ11、12月号(第418号)」に、下妻市「光明寺」の菩提樹と、大洗町「願入寺」にある大きな梵鐘の写真が掲載されているのを拝見しました。茨城県内に菩提樹があるのは下妻市の「光明寺」と大洗の「願入寺」の二ヶ寺であり、「願入寺」の境内には、関東一(全国で5番目)の梵鐘があることが記述されていました。
そこで、早速、菩提樹があるというもう一つの寺、「願入寺」を訪れてみた。常磐高速道・友部JCから東関東自動車道を大洗方面に向かい、水戸大洗ICを出て、走ること約15分で到着。事前情報で本堂は東日本大震災で被災したとあったので、拝観できるかどうか多少心配であった。山門をくぐり境内に入ると、右側に存在感のある大きな梵鐘が目に入った。
正面の本堂左手前に仮の囲い通路が設けられていて、参拝者、法事の関係者、御用の方などは、そこから中に入りブザーを鳴らしてくださいとの案内書きがあった。ブザーを鳴らすと、直ぐにご住職がお出でになり、ご本尊が安置されている部屋(庫裏)に案内して下さった。本堂は震災で被災し、特に土台の被害が甚大でまだ修復できていない為、安全面を考慮して参拝を止めているが、寺宝類はこの部屋に仮安置しているとのことであった。寺の縁起について細やかにご説明を頂き、寺宝なども拝観させていただいた。山門をくぐると左側に願入寺の説明版があり、『原始真宗 岩船山/大本山 願入寺の法燈、その他の主たる浄土真宗の流れ』などが記されてあったので、そのことについて伺うと、原始真宗とは、釈尊〜八高僧(七高僧に親鸞聖人を加える)〜如信上人へと相承する浄土真宗の法灯とのこと。説明書きにある、その他主たる浄土真宗の流れには九派の寺が記されているが、願入寺もそれに加えて十派とすることもありえたが、違う宗派の方も気軽に訪れて参拝できるようにとの思いから、現在のように単立の大本山 願入寺としたとの経緯も伺った。